賃貸物件を申し込んだ後に、「他の物件が気に入った」「条件が変わった」などの理由でキャンセルをしたいと考えることがあります。
申込後のキャンセルは可能な場合もありますが、タイミングや契約の進行状況によってキャンセルが認められない場合や違約金が発生することがあります。
トラブルを防ぐためには、キャンセルに関するルールや手続きを正確に理解することが大切です。
以下では、賃貸物件の申込後のキャンセルについて、タイミング別の可否、注意点、キャンセルの手続き方法について詳しく解説します。
賃貸物件を契約する前に行う「申し込み」とは、その物件を借りたい意思を貸主や不動産会社に伝える手続きです。
通常、以下のような流れで進みます。
候補物件を決めて内見を行います。
借主が「入居申込書」に必要事項を記入し、不動産会社へ提出します。
この時点で正式な契約ではありません。
貸主や保証会社が、申込者の収入状況や信用情報を確認します。
審査を通過した後、契約書を交わすことで正式に契約が成立します。
申込後のキャンセルが可能かどうかは、以下のタイミングによって異なります。
申し込みは、まだ正式な契約ではないため、キャンセルが可能です。
特に審査が始まる前であれば、トラブルになることは少ないでしょう。
キャンセルの意思はできるだけ早く伝えることが大切です。
不動産会社や貸主に余計な負担をかけないためにも、迅速に対応しましょう。
審査中でもキャンセルは可能です。
ただし、貸主や保証会社が審査に時間や労力をかけている場合、心証を悪くする可能性があります。
キャンセルの理由が曖昧だと、不動産会社との信頼関係に影響を与える可能性があります。
審査が通過して契約準備が進んでいる場合、キャンセルは可能ですが、不動産会社によってはキャンセル料や違約金を請求される場合があります。
特に、申込時に「申込金」や「手付金」を支払った場合、それが返金されるかどうか契約内容を確認する必要があります。
契約書に署名・捺印をした時点で正式な契約が成立しており、法律上の効力を持ちます。
この段階でのキャンセルは、「解約」として扱われ、解約手数料や違約金が発生する可能性があります。
契約書に記載された内容（違約金や解約条件）を事前に確認しましょう。
申込時に支払った申込金や手付金がある場合、キャンセル時に返金されるかどうかがポイントです。
法律上、申し込み段階では正式な契約ではないため、申込金や手付金は基本的に返金されるべきものです。
ただし、不動産会社が契約書に特約を記載している場合には注意が必要です。
審査通過後や契約後にキャンセルする場合、不動産会社や貸主から違約金を請求される場合があります。
違約金の額や条件は契約書や特約事項に記載されています。
貸主や不動産会社が審査のためにかけた費用や、鍵交換、清掃などの準備にかかった費用を請求される場合があります。
キャンセルをスムーズに進めるためには、以下の手順を踏むことが重要です。
キャンセルを決断したら、できるだけ早く不動産会社に連絡します。
電話やメールで連絡し、その後、正式な書面（キャンセル申込書）を提出するのが一般的です。
キャンセル理由は簡潔かつ明確に伝えましょう。
キャンセル手続きが完了したことを証明する書面やメールを不動産会社から受け取ると、後のトラブルを防げます。
キャンセルを考える際には、以下の点に注意しましょう。
申込書や契約書に「キャンセルに関する特約事項」が記載されている場合があります。
特約事項を事前に確認しましょう。
無責任なキャンセルは、不動産会社との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
同じ不動産会社を利用する際に不利益を被ることもあるため、誠実な対応を心がけましょう。
保証会社の審査が進んだ段階でキャンセルすると、次回の審査に影響を与える可能性があります。
申込後のキャンセルに伴うトラブルを防ぐためには、以下の対策が有効です。
申し込みを行う前に、物件の条件や自分の希望をよく確認しましょう。
内見時に物件の状態や周辺環境を十分にチェックし、後悔のない決断を。
申込時に、キャンセルに関するルールや手数料の有無を不動産会社に確認します。
申込金やキャンセル時のやり取りについて記録を残すことで、トラブル発生時の証拠になります。
賃貸物件の申込後のキャンセルは、タイミング次第で可能です。
ただし、審査後や契約後になると、キャンセルに伴う費用やトラブルのリスクが高まります。
申込時には契約内容やキャンセル条件をしっかり確認し、慎重に決断しましょう。
キャンセルする際は、誠実な対応を心がけることで、不動産会社や貸主とのトラブルを防ぐことができます。
納得のいく選択をするために、事前の情報収集と計画が鍵となります。
